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木部に下塗りを行う際には、セラックニスというニスを使う事があります。

 

ニス自体は、図工の時間や自由研究、ＤＩＹ等で塗ったことのある方もいるのではないでしょうか。

 

ただ、セラックニスに関しては、「セラック」という物を原料に作られています。

 

では、その「セラック」とは何なのかというと、
ラックカイガラムシやカイガラムシの分泌する虫体被覆物を精製して得られる樹脂状の物質です。

 

簡単に言うと、虫の分泌液です。

 

この「セラック」は天然樹脂で、人体には無害とされていて、
ニス以外にも、接着剤、剥離材、ワックス、フルーツワックス、医薬品の錠剤、
食品のコーティング剤等に使われています。

 

特に、糖衣コーティングのような光沢のある粒状のチョコレートに使われていたりします。

 

他にも、中国医学では、紫草茸(しそうじゅう）、紫膠（しこう）とも呼ばれ、
清熱解毒などの作用があるとされていました。

 

また、セラックは天然樹脂の中で唯一の熱硬化性を持っており、
これが塗料等に使われている理由です。

 

しかし、石油化学の発達につれ，合成樹脂が主流となり、需要が減少していました。

 

ですが、近年、環境配慮や資源の有効利用の面、人体への安全面から、
セラックが再び見直されるようになってきています。

 

虫の分泌液と聞くと、抵抗感があるかもしれませんが、
人体には無害で、環境にも良い、サスティナブルである為、
需要が高まってきている素材です。

⌘Ｊ⌘